本格推理委員会: ラノベ×本格推理…?

昼休み、ゲートシティ大崎の書店に行きました。
売場面積があまり広くないビジネスタワーの一角とあってか、文庫といってもビジネス系中心に固められていて、ライトノベルは角川スニーカーだと「涼宮ハルヒ」シリーズ、電撃文庫だと「護くん」しか並んでないという、あまりにも潔い仕入れ。ちょっと感心しました(笑)


で、一般小説に目を移し、角川文庫を物色して見つけたのがこの1冊。

本格推理委員会 (角川文庫)

本格推理委員会 (角川文庫)


2004年にハードカバーで発表された作品の文庫化。第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作だそうです*1
小中高エスカレーターの私立学校で、高校に進学したばかりの少年・修。理は、ひょんな事をきっかけに、理事長から「本格推理委員会」メンバーに指名されてしまいます。(一風変わった家庭環境でありながらも)平凡な修の日常は、理事長の深いたくらみ(?)により、特別なものへと変わっていきます…。などと書いてきますと、なにやらミステリというよりは、むしろラノベちゃうんか?と思う方もいるかもしれませんが、ガサツ娘、ドジっ娘、スポーツ娘、関西弁娘、そして、妹…。というように、なるほど、キャラクタの性格付けもライトノベル風味です。
それなら「本格推理」は嘘なのか?というと、さにあらず。なかなか頑張っています。前半では「萌え系」(?)と思われたキャラクタたちがそれぞれ抱える問題やその背景が、いくつかの事件を経て解決へと導かれていきます。おもしろいと思ったのは、「発生した事件を解明する」という一般的な流れとはやや趣が異なり、修は最初、「何を以て事件の解明とするか無自覚」。いや、むしろ、修は最初、事件の解決から逃げようとします。それは何故なのか…?続きは小説に譲りましょう。


個性的で魅力的なキャラクタと、複雑に絡み合う事件と人間関係…。
どちらかというとライトノベル寄りかもしれませんが、個人的には大プッシュ。続刊希望なのです。

*1:近年は文学賞が多いですね…(汗)